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「恋愛大全集」〜11月6日(土)20時10分開演!〜

 ★はじめに…★。

以下、当日のパンフレットに記したプログラムと、この作品の解説である。しかし、プログラムと言っても、厳密に、このシーンからそれ、という区切れがあるわけではないが、もともと分かり辛い作品であるし、僕自身気分を乗せる為、敢てシーンらしきものを作った。しかし、この作品が、前回「トゥーリーのショー」と違って、モデルの女性の「お話に出てくる男達の物語」と言えども、別に明確なキャラクターを登場させているわけではないし、僕の創作のキャラクターや、僕自身まで登場しているわけだから、もう何が何だかわからない。作者の僕でさえ、もう「どれがこの人格で…」なんて説明できないし、説明するのもヤボというものだ。今作品で人は融合し、スパイラルな時間と時代を共有するのだ!ということにして下さい、ハイ。そう見えたでしょ?それがこの物語の根底を支配する考え方でもありますから。

***  以下、パンフレットの記載事項  *****

恋愛大全集

オープニング
告白
TVモニタは夜光る
ステイ!
サハラ砂漠での一週間

ボレロ
スットップ・ザ・ワールド
ケルコン
二度目のオープニング
まなざし


物語りへのアプローチ                             
「89年飛行」は、僕が初めて上京した時の家の大家さん(女性)をモデルにしたお話しであるということは、折に触れて話してきたことだから、そのことについてはあまり多くを語るまい。結果的事実として彼女にはたくさんの数奇なエピソードがあり、それは僕を不思議な気持ちにさせたということである。現実はあくまで現実であり、その感動はごくプライベートなもので、それを何とか舞台以外の表現で語ろうとしても、それは僕が表現のフィールドにしている舞台の表現とはまた違った言葉で語らなくてはならないので、それはいずれ僕が別の言葉を自分の肉体として獲得した時に語ることにしよう。
「89年飛行」で僕がやる作業といったら、僕がこの女性から受けた印象と想像の世界を舞台上に具現化することだと考えている。だから、僕がこの舞台でやりたいことは、必ずしも、その女性の「ことば」とイコールではないし、今回の「恋愛大全集」なんてその極みであると言ってよいだろう。だがしかし、僕は彼女の語ってくれた130年もの長い時間の物語を、引き出し、聞いてしまった者として、物語を引き継ぐ者として、きっとその中核たるものは伝えられるだろうと使命に燃えているのだ。それが、僕という存在だ。「恋愛大全集」は「トゥーリーのショー」より複雑な物語だ。「物語」を「ことば」で紡ぐもの、という前提で語るのであれば、今作品は「物語」でもないのかもしれない。しかし僕は考える。あのとき、女性から貰ったあの不思議な感情はきっと言葉では言い表せないものだ。だから、僕が舞台というメディアを通じて伝えられることが出来るのは、「ことば」や「意味」そのものではない。だから僕は表現という深海にどっぷり身を浸そうと思うのである。それが「89年飛行」をやる意味だ。
                                熊谷 知彦

**********************************


さて、それではこの作品がどんなだったか、舞台作品(しかもパフォーマンス作品)を説明するのは難しいのですが、観にこれなかった方々の為に、なるべく多くの写真を使ってご紹介しましょう。(今度は観にくるように!)


< オープニング >




空間の真ん中に、ぽつんとある赤い箱と使い古した手提げバッグ。向こうに14インチTVモニタが相変わらずぼんやりと「なにかしら」を映している。


引き裂く音、分裂した音と同時に目に飛び込むのは、奥の壁に映し出される混沌とした‘光’と日常的なものや非日常的な風景。そして戦場。それを背にした箱の上に見えるのは人影。


箱の上の人影は何かに怯えつつも、その暗い目でその‘光’を捉えようとする。


と、突然空間は変わり、男は愛想よく客に話しかける。自然に零れる笑み。奇妙なことと言えば、男は「喋れない」のか、声に音はない。


新聞を読み、靴下を履く。男の「母」と携帯電話で「お話し」しながら。男は電話越しには「喋れる」のか。


時間を気にする男。それを客に説明するが、そこに「声」はない。迫り来る時間。










< 「男」の告白 >




時間は刻々とその刻印を刻む。携帯電話はその主を探して‘悲鳴’をあげる。


不思議な格好の男がみんなの輪の中に登場。男は自分のことを、たどたどしく語り始める。


男は一週間以内に自分で自分の命を絶つという不治の病に侵されていてと言う。そこで男が願うのは「どうしたら時間を止められるのか」ということだが…。



男は、過去の罪を語りだす。男は昔、ある女を殺したという。その女は過去を食料にして生きていた不思議な女であると語る。



女への罪悪と自分の迫り来る死への恐怖の狭間で、男はある種特殊な気分を獲得する。

「それは、とても奇妙な体験でした。苦しさとともにやってくる幸福。あの、あえかな時間。」

その時間に身を浸す男。




<  ステイ!  >




夜の闇に浮かぶのは、TVから洩れる形容しがたい麻薬的な光。僕らに無機質なメッセージを託すのか?そしてそんな無機質な光のパレードの最中も、時は過ぎてゆくのだ。


光の中現れたのは、レインコートを羽織り、ウォークマンに没頭する男。音楽に聞き入る男のその姿はロックスターを気取ってみせるが、マスターベーションのような孤立したエネルギーの排泄のようでもある。

男は背中に何かしらの「時間」を背負いつつ、その孤独な行為を止めはしない。


`Greenlight,Seveneleven...'
男は歌い出す。始めは優しく、緩やかに。
やがて、男はその世界に没頭し、その情景の中に対象像を作り出す。

「STAY!」

男が叫ぶのは、何の為だろう?
そして、歌い声は聞こえるが、喋り声に音は無い。


男は自分で作り出した世界にカタルシスを見出すと、突然走り出し…



飛び、



落ちる。







< サハラ砂漠での一週間 >




と、突然ライブショー?あれ?トゥーリー?


俺はどこに迷い込んだんだ?


男はあゆる好奇心のトリコになる。
この世の果てはきっと、歪な、つぎはぎの世界だ。

男は、歌いはじめる。
この世の果てを相手にして。



この街は砂漠みたい
不時着したパイロットが
ゴマンといるのに…
みんな誰も知らない

ビルの森に埋もれてく僕ら
トレンチコートの襟を立てて
君は笑う
Oh haney, it's a paradise …

< 「夫」の告白 >




場面は変わって、ここは電話機のある場所。
或は世界の果ての一部。

男は風船を片手に持ち、こう宣言する。

「私は夫です。」
「私は金持ちでした。」

そして彼もまた自分の罪を告白する。

「私は、二人の妻の夫でした」


男は「妻」からの電話に迷う。彼には二人の「妻」の区別がつかない。彼には妻に関する知識が欠落している。


男は電話の向こうの「妻」に金鉱脈を掘りにインドに渡ることを伝える。
そして男は無邪気に言う。

「空を飛ぶのさ。この風船でね。」

電話を切る「妻」


「女なんてそんなもんです。とかく現実主義だ、夢がない。目先の生活に目が奪われてしまう。昔はね、ちゃんと話を聞いてくれるカワイイ奴でした。うん、カワイイ奴でした。…あれ?どっちが可愛かったっけ?







< ボレロ >




「夫」の背後に蠢く暗さ。


それは拡大し、大きな世界を作りだす。





その世界に迷い込む男


男はこの世界のなかで肉体を獲得し、動きだすが、
そこに抱えられるのは「暗さ」と同居するようなエネルギーの噴出。

























< 愛の哀しみ >




「僕は、時間が止めればいい、本気でそう思いました。」
やや興奮気味に語り始める男。


「携帯電話は一体僕をどうしようというんだ?好き勝手に鳴って、止まって。出たところで僕をたいして幸福にしてくれない。」


「夫」に会ったという男。
「夫」は彼に孤独を教える。


「僕という存在は実は、なにか第三者に遊ばれている‘人生ゲーム’みたいな作りごとでね、作りごとだから僕がそいつの思いもよらない行動をとると、そこにはきっとボロがでるんです。」


「こんな風に。」

男は頭を壁に打ち付ける。









< STOP THE WORLD >




「私はある女の人に出会いました。その人はとても小さな人でした。歳は、何歳くらいだろう?不思議なんです。少女のように若く見えるときもあれば、見方によっては老人にしか見えない。」

男は、幾つかの人格を持ち、
それは激しい動きとともにひとつの集約点へとひた走る。








「どうしたら、時間を止められるのか!?」

時間は止まる。








< ケルコン >




世界はガラリと変わる。
男が現れ、内面の全てを吐き出すように歌う。






















< 二度目のオープニング >





オープニングと同じ風景が…。

それは何か懐かしさを感じさせるものがある。


男は、振り向くとその風景の中に消えてゆく…。



風景は男を飲み込んだかのように混沌としてゆく。
まるで、巨大な生き物のように。


‘光’が差し込む。


‘光’は上から下へ、ゆっくりと、まるで雪のように降り注ぎ、空間を優しく包み込む。











< 眼差し >




人影が…。


トゥーリーだ。


トゥーリーは歌う。

かつて「男」たちがいたその場所に。





あなたの瞳には太陽が見える
台風も、雨も、暗くどんよりした空も
あなたは自分の意思も分からぬまま
丘を登ったり下りたり
あなたが夢中になれるスリルなんてそこにはないのに
もしも追い求めるものがなくなったら
私の声を追いかけてみて
この薄汚れた街の暗さと喧騒の中で

ああボーイ、幸運に見放されたのね
それであなたは駄目になってしまう、怖いわ
慎ましく、憎しみにみちて、献身的
追い出されるまであなたはトリックでごまかしてた
風が身体を冷やし、いてつかせる
もしも追い求めるものが無くなったら
私の声を追いかけてみて
この薄汚れた街の暗さと喧騒の中で

運命はなんて過酷で残酷なのかしら
二つもの願いをかなえようなんて、なんておバカさん
あなたは自分自身を見失ってしまう
「ファイブ・スプリング(五つの泉)」シティはもう過去の街
ロトの妻が後ろを振り向いたときのことを思い出して
もしも追い求めるものが無くなったら
私の声でも追いかけてみて
この薄汚れた街の暗さと喧騒の中で

< 二度目のオープニング >




再び男。

甘美な時間。


男はバッグの中に、
ドレス、ハイヒール、ウィッグを詰める。
子供のように無邪気に。
玩具を手にするように。


名残惜しそうにその場を後にする男。


TVモニタが再び現れ…。



すべてが、もとの状態に戻される。

物語は、時間を経ても
同じ時間を再び紡ぐ運命なのだ。


END。




< カーテンコール! >










| 「恋愛大全集」舞台公開 | 22:32 | comments(217) | trackbacks(2) | pookmark |

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